『令義解』(りょうのぎげ)とは、養老令に定準を設けるために、833年(天長10年)に淳和天皇の勅により右大臣清原夏野を総裁として、文章博士菅原清公、明法博士 讃岐公永直ら12人によって撰術された解釈書で30篇、全10巻あったが、そのうち21篇が伝わる。令集解から7篇を抽出でき、残る2篇も近世以来逸文が収集されている。国史大系本も含め、現在入手できるのはこの輯佚書を含んだものである。
養老令が失われたため、この書物によって大宝令・養老令が伝えられている。同じく養老令の注釈書である『令集解』(惟宗直本の私撰注釈書)と違って、こちらには法的効力(官撰注釈書)がある。
体裁は令本文を大字で掲げ、義解を語句の間に細字双行で加える。
編纂者
- 漢部松長(大初位下・明法得業生)
- 川枯勝成(従八位上・判事少属)
- 讃岐永直(従六位下・左少史兼明法博士・勘解由判官)
- 小野篁(従五位下・大宰少弐)
- 善道真貞(正五位下・阿波守)
- 興原敏久(正五位上・大判事)
- 藤原衛(従四位下・刑部大輔兼伊予守)
- 藤原雄敏(従四位下・勘解由長官)
- 菅原清公(正四位下・左京大夫兼文章博士)
- 藤原常嗣(従四位下・参議・右大弁兼下野守)
- 南淵弘貞(従三位・参議・刑部卿兼信濃守)
- 清原夏野(正三位・右大臣兼左近衛大将)
刊行本
- 黒板勝美 編『令義解』 第22、国史大系刊行会〈新訂増補 国史大系〉。https://dl.ndl.go.jp/pid/3431635/1/107。
- 『新訂増補国史大系 22.律・令義解』 吉川弘文館
- 『国史大系』 第12巻・令義解、経済雑誌社、1900年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/991102/16。 (国立国会図書館デジタルコレクション)
脚注・参考文献
脚注
参考文献
- 井上光貞・関晃・土田直鎮・青木和夫 校注『律令』(新装版)岩波書店〈日本思想大系〉、1994年。ISBN 9784000037518。
- 律令研究会 編『譯註日本律令 9』 令義解譯註篇 1、東京堂出版、1991年。doi:10.11501/11931176。
- 律令研究会 編『譯註日本律令10』 令義解譯註篇 2、東京堂出版、1989年。doi:10.11501/11931265。
- 律令研究会 編『譯註日本律令11』 令義解譯註篇 別冊、東京堂出版、1989年。doi:10.11501/11934061。
- 黒板勝美 編『律』 22巻、国史大系刊行会〈新訂増補 国史大系〉。https://dl.ndl.go.jp/pid/3431635/1/4。
外部リンク
- 『令義解』 - コトバンク
![令義解. 巻第110 / 清原夏野 [ほか撰]](https://archive.wul.waseda.ac.jp/kosho/wa03/wa03_06333/wa03_06333_0001/wa03_06333_0001_p0001s.jpg)



